中野、シルクロードの果て
ゴールデンウィークはウズベキスタンに行く予定だったが、今年は不可能だったのは言うまでもない。
砂塵舞う悠久の大地への思いを諦めきれず、私は中野へ向かった。
ウズベキスタン料理屋の「ヴァタニム」を訪れるためである。
ネットのレビューでは複数の書き手によって
- うまい
- 本場の味
と評されていたので、味に関しては何の心配もなかった一方で
- 量が多い
- ベーグルくらいかと思ったらホールケーキくらいの大きさのパンが出てきた
というようなコメントも散見され、アラサーの私は一抹の不安を抱えていた。せっかくなら色々な種類の料理を食べたいのに。
この不安を払拭すべく、実家にも声かけしてメンツを揃え、父母妹夫私という充実の5人体制で挑んだ。とても気合を入れていたのだ。
店は中野駅から10分くらい歩いた住宅街と繁華街の狭間のようなところにあり、これもネット情報によれば蕎麦屋の居抜き物件らしかったが、壁飾りなどによって異国情緒溢れる空間になっており、何より地元っぽい(この場合の地元はウズベキスタン)お客さんが多いことが異国感を加速させていた。
客とオーナーはだいたい知り合いなのではないか?というほどのアットホーム感。
それすなわち我々にとってはアウェイ感に他ならないが、だからといって嫌な思いしたとかは無いので安心してもらえればと思う。
さて、今回食べた料理は以下の通り。
- ノン(パン)
- アッチクチュチュク(トマトと胡瓜のサラダ)
- シャクリク(串焼き肉 鶏と牛)
- プロフ(ピラフ)
- サモサ(肉詰めパイ)
- ラグマン(トマトソースのかかった太麺)
特にこれが良かった!と思うのがノンとサモサである。
ノンは要はパンだ。もちもちほかほか。
日の目を見なかった手元のウズベキスタンガイドブックによれば、ノンには地域性があり、こちらのは黒ゴマが散りばめられたタシケント風のもの。
事前情報でホールケーキと言われていたのもこれと思われ、確かに5人で分け合っても十分な大きさ。メニューには小さい版もあったので、1人2人で行く時はそちらを頼んだ方が良さそうだ。
サモサはインド料理屋にも同名の料理があることが多いが、インド料理におけるサモサは中身がじゃがいもベースでかつ揚げてあるのに対し、こちらのサモサはひき肉ベースでかつ焼いてある。揚げないのであっさりした仕上がりになっており、みちみちのお肉の美味しさを堪能できるのだ。
なお、インドサモサは小学生の握り拳くらいの大きさなことが多いが、ここのサモサは成人男性の握り拳くらいのサイズ感でやってくるので、そこだけ注意が必要である。
ウズベキスタン料理の店は少なく、この大東京にすら数えるほどしかない。
次は日本橋のアロヒディンに行きたいと思っている。