いけずのいけす

すっきり整った暮らしを夢想するアラサーゆるゆるオフィスレディです。

遊牧民ライフ in 家

なんにしたって夏は暑いものなので、ずっと冷房が効いた部屋に閉じこもっているのには違和感があり、日中家に居るときはなるべく冷房を切って窓を開ける。ただ、就寝時もそんなことをしていると寝ている間に死ぬかもしれないので、夜は大人しく冷房を入れている。

 

今住んでいる家の間取りはこんな感じだ。
LDK
1面が外廊下、1面がベランダに面した縦長の空間。
DK部はフローリング、L部は畳敷き。エアコンあり。

[個室1]
LDKの隣で、襖で仕切られている。
1面がベランダに面した畳敷き6畳間。エアコン無し。


冬は個室1に布団を敷き、襖を閉めて寝ていた。
外気に接する面が少なく、かつ狭い部屋の方が、僅かでも人の熱で暖かくなりやすいだろうという考えによる。現実としてどのくらい影響があるのかはさておき、篭ってる感が心理的な暖かさを生む(実際は全然暖かくないんだけど)。暖房は乾燥するので冬は基本的に点けない。


それに対して現在、夏はリビングに布団を敷き、襖を閉めて寝ている。
エアコンがLDKにしかないからである。個室1にも効かせたかったら、LDKとを隔てる襖を開け放てばいいのだが、個室1だけ効かせるということは出来ないのでエネルギーのロスが大きい。それならいっそリビングで寝ればよくね?という考えに至った。
朝起きるとリビング全体が冷えているので、朝ごはんを食べるときも快適だ。


その時その時で、家の中で一番快適な場所を探して休むというのは遊牧民のようだと思った。

気ままな遊牧民ライフを可能にしているのは、持ち運びできる就寝スペース即ちお布団と、なるべく床を空けておくインテリア構成である。これがベッドなら、寝る場所をころころ変えるなんてもちろん不可能だし、家具が多ければリビングに布団を敷くことが叶わない。
そこまで考えて、これっていわゆる日本の伝統的な生活様式じゃんということに気がついた。


昔の日本の家は家具が少なく、また襖や障子で部屋を自在に仕切れたので、1つの空間を多用途に使いまわせたという話がある。なるほど効率的だと思う一方で、夏の高温多湿と冬の低温乾燥という真逆の気候をやり過ごすためには、そういう家づくりにせざるを得なかった面もあるのだろう。きっと昔の人も、夏は一番北の部屋で障子を開け放して、冬は一番南の部屋で雨戸まで締め切って寝ていたに違いない。


技術の進歩で生活は便利になったが、それに伴って発生した無駄も多い。
かつての暮らし方の合理性に思いを馳せる夏の朝だった。