いけずのいけす

すっきり整った暮らしを夢想するアラサーゆるゆるオフィスレディです。

愛しのエクサントリーク

EXCENTRIQUEというブランドが大好きだった。ブランドが2018年1月末で解散してしまったから過去形にしてみたが、好きな気持ちに変わりはない。


EXCENTRIQUEの服は、一般的にはロリータ、その中でもクラシカルロリータ(クラロリ)と括られる部類のもので、ゴスロリマガジンにも新作情報が載っていたりしたが、いわゆるクラロリとは一線を画していたと思う。クラロリは、まずはフリルやレースで彩られたザ・ロリータ服がベースにあって、そこにクラシカルな装飾を加えたものだと私は考えているが、EXCENTRIQUEにはロリータ的な可愛らしさというより上品で重厚、クラシカルというより『古典的』とでも言うべきデザインの服が多かった。

かつての上流階級のお嬢さんが着ていた服を少しばかり現代的にアレンジしたような、どこまでも古式ゆかしいそのデザインは唯一無二のもので、EXCENTRIQUEに代わるブランドを私は未だに見つけられていない。


もう二度と新作が手に入らないということで、これまでコツコツ買い集めた服は後生大事に取っておいていた。ただ、コテコテのロリータでないにしろ、少女的な要素の強い服であることは間違いないため、アラサーという年齢を思うとやや着るのを躊躇してしまう服が増えてきたのも紛れのない事実である。

ロリータ服というのは純粋に自分のために着るものなので、他人の目や意見なんてものはマジで一切気にする必要はないと思うのだが、だからこそ他でもない自分が「似合わない」と思った瞬間が『終わり』なのだ。大好きな服は変わらないのに、それが自分に似合わなくなっていると気づいたときの切なさといったらない。歳取るってつらいな。


物は無くても思い出は残る。その物自体は手放してしまったとしても、それを愛した月日や気持ちが失われるわけではない。

 

そう自分に言い聞かせ、いくつかは売却した。私の元で死蔵しているよりも、誰か別の人のもとで着てもらえる方が服も嬉しかろう。


一方、お直しに出して少し大人しいデザインに変え、今も愛用しているものもある。プロがやっているお直しショップに持っていくと、思いのほか大胆な改造が可能で驚く(コルセットスカートのコルセット編み上げ部分をカットして、普通のサーキュラースカートにしてもらったことがある)し、簡単な内容なら自分で直せば一層愛着が湧く。この夏、繊細なレースの袖が付いていたブラウスの袖を取ってノースリーブに仕立て直した。構成要素はシンプルだがクラシカルなディティールのあるブラウスに仕上がり、我ながら満足だ。

 

まだ持っているEXCENTRIQUEの服は、色々買った中でもお気に入り中のお気に入りばかり。私はこれからも着々と歳を取るわけだが、今後もその時その時で、上手い付き合い方を見つけていければなあと思っている。