いけずのいけす

すっきり整った暮らしを夢想するアラサーゆるゆるオフィスレディです。

待ち時間を取り戻す

街中でふと辺りを見渡したとき、スマホを操作している人を見つけない方が難しい。電車や信号の待ち時間はもちろん、歩きながらすいすいやっている人も本当に多い。


十二単と扇のセットは平安時代、髷に打刀二本差しなら江戸時代、男女とも洋服和服入り交じっていれば大正時代、洋服が大半で男が皆帽子を被っていれば戦後すぐ――時代を表す風景というものがあるが、後世になって2010年代の景色を描くときには「至るところでスマホをいじる人たち」というのが欠かせないだろう。俯いて手元を見つめているというポーズは、見た目に今一つなのがたまに瑕だ。


ただ、調べものだったり読書だったり明確な目的意識を持って操作している人が居るだろう一方で、なんとなぁく画面を眺めている人も相当数居るだろうと思う。私自身、寸暇を惜しんでスマホを取り出すわりには、いざ取り出してやることいえばツイッターを流し見したり大して関心のないFacebookをチェックしたりと、やった先から忘れていくようなことしかしていない。


スマホを漠然といじるような時間、かつての人類は何をしていたんだろうと思いを馳せたが、きっと何をするでもなくただ「待っていた」んだと思う。ぼんやり待ちながら、ちょっと考え事をしたり風景を見渡したりすると、ささやかだが思いがけない発見があったりしてなかなか楽しい。だから「待つ」ことを楽しむようにしようというのが、ここ最近のモットーだ。


そんな風に思うのは、この9月に人生で初めて釣りとグランピングに行ったからだ。両方とも、無為に時を過ごす喜びを噛み締めるようなレジャーだった。次はこれらについて書きたい。