いけずのいけす

すっきり整った暮らしを夢想するアラサーゆるゆるオフィスレディです。

足袋を繕う

無印良品のはかまパンツを買った。


一見プリーツワイドパンツだが、ひだの数を数えると前は5本、後ろは2本といういかにも袴らしいディティールがたまらない逸品である。

ただこのひだが曲者で、プリーツ加工がされていないのか、1日着用しただけで「正しい折り目はどこだ…?」という箇所が発生し始め(特に後ろ)、このままでは全てのひだの存在があやふやになるのも時間の問題に思われた。まずい!


そんな状況を打開すべく行ったのが、ひだに端ミシンをかけることだ。

最初は裏返して前側の内ひだを、続いて表に返して後ろの外ひだを、「前は目立つから縫わない方がいいかな」とか思っていたが最終的には前の外ひだも縫った。計12本、ひたすら端ミシンがけ。もうこれで穿いたまま畳をごろごろした挙句に寝落ちするのも怖くない。

 

ミシンがけをすることを思いついたのは、かつて弓道をやっていたときに袴で同じことをした経験があったからだ。袴ひだへのミシンがけは武道界隈ではよく知られた小技であり、縫われた状態で売っている商品もあるくらいだ。

ほかにも弓道時代によくやっていた裁縫に、足袋の補強がある。

道場では基本的に足袋を履いて練習するわけだが、弓を引くときは足の前側、親指の根元あたりに体重をかけるので足袋の親指部分は痛みが速く、すぐに穴が空いてしまう。しかし、靴下と比べて高価な足袋を親指の穴だけで捨てるのはもったいない。そこで、穴が空けばかがってやり、薄くなったところは補強して、一足を延々使っていた。あら何してるの、とやってきた母に「足袋を繕ってる」と言ったら、そのフレーズの時代錯誤っぷりが面白かったらしく笑っていたのを覚えている。


繕うという行為は、物資が貴重で新しく買うよりも労働力の方が安かった時代のものであり、大量消費社会たるこのご時世、壊れたり不具合があったものは直すよりも新しく買った方が簡単なことが多いだろう。

ただ、「直せる」能力が重要なのは変わりない。結果は同じだとしても、「直せるけど直さない」のと、「直せないから直さない」というのでは大違いだからだ。自分の手を動かして状況が改善する楽しさを味わうためにも、直せるものは直してしぶとく使い続けるスタンスでいたい。

 

 

今週はグランピングに行ったり歓送迎会をこなしたりしていたら終わっており
「月曜断食…何だっけそれ…?」
的な破滅的な食生活を送った。月曜日から頑張ろう☆★☆