いけずのいけす

すっきり整った暮らしを夢想するアラサーゆるゆるオフィスレディです。

ざんしんなめいがのおもいで

春先の話で恐縮だが、SOMPO美術館で開催していたモンドリアン展に行ってきた。

特定の人物の名を冠した美術展であっても、その人物の作品が思いのほか少なくてがっかり、というのは展覧会でよくあることだが(ビッグネームだと特にその傾向が強い)、本展は最初から最後までかなりの割合をモンドリアン作品が占めており、タイトルに偽り無しの感があった。

そしてこれまたよくあることだが、特徴的な絵を描く画家であっても、初期の頃は普通の絵を描いており、かつそれが普通に上手いのに改めて感心したりする。モンドリアンもその例に洩れず、初期作品の風景画は、モチーフといい描き方といいごく一般的なものであった。何なら別に、取り立てて上手いと感じるほどでもない。

それが、画風が行ったり来たりする時期を挟んで数年のうちにどんどん変化していき、最終的にはあの有名なコンポジションに行き着くのを、時系列順に追っていける展示構成になっている。その変化はかなり劇的で、これをもしモンドリアンの友人として近くで見ていたらめちゃくちゃ心配になっただろうな…と、見も知らぬ異国の人間に思いを馳せてしまった。


モンドリアンという画家を初めて知ったのは、はるか昔小学生の頃、どハマりしていたどうぶつの森(64)で「ざんしんなめいが」に出会った時だ。どうぶつの森内の「めいが」と呼ばれる家具は、いずれも実在の有名絵画をモチーフにしているが、明らかに他の絵画とは一線を画すその絵は私の心を惹きつけた。

それが「黄、青、赤のコンポジション」と呼ばれる作品で、作者がモンドリアンという人物であることは、父親に教えてもらったのだったと思う。

出会いから20年、遂にモンドリアン作品の前に立つことができたのは、なんとも感慨深いものだった。